100人のボーカル教室とレコーディングを両立する防音マンション
24時間音楽演奏が可能な防音マンション「ミュージション」の部屋を訪ねて、“音楽のある暮らし”をのぞき、その魅力を語る企画。第12回は、編集部がミュージション担当の戸口と管理スタッフとともに「ミュージション志木」にスタジオを構える山﨑裕右(やまさき・ゆうすけ)さんを訪ねました。
ボーカル講師やミュージシャン、サウンドクリエイター、シンガーソングライター、ラジオのパーソナリティなど、“音楽”を軸に多方面で活躍されている山﨑さん。ミュージションを自らのスタジオに選んだ理由とは?
遮音性能もデザインも立地も必要な条件が揃っていた
戸口さすがはボーカル教室をされているスタジオ。見たことのない珍しいマイクや機材がたくさんあって、なんだかワクワクしますね。
山﨑さんどうですか? まずは一曲。
戸口遠慮しておきます(笑)。山﨑さんはこの部屋をスタジオとされながら、お住まいはどちらなんですか?
山﨑さん板橋です。朝霞にあるボーカル教室で5年ほど教えていて、「そろそろ自分の音楽スタジオが欲しいな」と、東武東上線沿線で防音物件を探していたら、このミュージションを見つけました。とにかくデザインがスタイリッシュですよね。
戸口ミュージションは音楽を愛する皆さんの日々の創作活動を刺激するため、建物や居室のデザインにはこだわりがあるんです。特に、ミュージション川越とミュージション志木はグッドデザイン賞も受賞している物件。モダンかつクラシックなデザインが人気です。ガラスに囲まれた水回りを見て、「マンハッタンのホテルみたい」とおっしゃる方もいました。
山﨑さん最初は「トイレがガラス張りってお洒落すぎ!」って思いましたけど、慣れるものですね。
編集部デザインの他に決め手はあったんですか?
山﨑さん立地の良さと防音性能の高さですね。重たい楽器や機材を持って移動することが多いので、駅から徒歩1分はありがたかった。それに、僕はここでレコーディングもするので、いわゆる“お互い様物件”ではなく、外からの雑音が入らないということがマストでした。いつも12時間くらい歌っているけど、苦情が来たこともない。集中して演奏できるのが嬉しいです。
戸口志木は東武東上線の急行停車駅で池袋駅までは急行で20分、副都心線や有楽町線へも直通電車があって、都心へのアクセスも便利ですよね。
編集部駅周辺も色々なお店があって楽しそうですよね。オフの日はどんなふうに過ごしているんですか?
山﨑さん近所にあるお気に入りの店をルーティーンで回っています。お腹が空いていたら「風風ラーメン」や「高や(蕎麦屋)」、飲みたい気分だったら「CAFE & BAL SKETCHY」や「和楽 かたらいや」も好きで良く行きます。よく演奏させてもらっている「運送屋(音楽演奏ができる居酒屋)」も大好きな場所。店主がみんな良い人たちで、まちの音楽好きと出会えるのも楽しみのひとつです。
ニーズに応えられず、もがいた20代
管理スタッフ山﨑さんは多方面でご活動されていますが、いつから今のような働き方になったんですか?
山﨑さん気がついたら、という感じです。学生時代からバンドをやっていて、25歳で上京して来た時は「俺はロックだけで生きていくぞ!」と尖っていました。若いでしょ?(笑)
編集部そんなやんちゃな時期もあったんですね〜。
山﨑さんただ、それだと社会のニーズに応えることが出来ないと気が付いて。それからJ-POPやJ-ROCKも聴くようになりました。すると、だんだんそのジャンルごとの良さも分かって、聴く人たちの気持ちも想像できるようになった。それでようやく、「自分が表現したい曲」と「求められる曲」を自分のなかに共存させられるようになりました。
編集部そうやって引き出しがどんどん増えていったんですね。ボーカル教室の講師としても長いキャリアをお持ちですが、生徒さんはどれくらいいらっしゃるんですか?
山﨑さん100名くらいかなぁ。下は小学校1年生から、上は90歳まで。趣味として上手くなりたいという方から、本気でプロを目指したい方まで、色んな生徒さんがいらっしゃいます。
戸口90歳! どんな曲を歌われているのですか?
山﨑さんさまざまですよ。イタリアのカンツォーネ(民謡)の『オー・ソレ・ミオ』を歌う人、賛美歌の『アメイジング・グレイス』を歌う人、J-POPの『涙そうそう』を歌う人も。僕はロック好きなので、本当はザ・ビートルズとか歌って欲しいですけど、本人が好きな曲を歌ってもらうのが一番だと思っています。
編集部いいですね。すごい生徒数ですけど、ここにスタジオを構えた時、生徒さん募集の広報はどうされたんですか?
山﨑さんまずはwebに教室情報を載せて、ポスティングをしただけ。ありがたいことに、口コミだったり、YouTubeを観ていらっしゃる方が多いですね。半分がボーカル教室、残りは映画や教材などの作編曲をしたり、高校時代からの友人と「Artlark(アートラーク)」というバンド名で活動もしています。もちろん、レコーディングもここで。
編集部すごいマイクの数ですね。
山﨑さん楽器やジャンルごとにマイクやプリアンプを使い分けていますから。あとは、消費電流に合うアダプタを選んだり、音の反響を抑えるためのアイテムを使ったり。ミュージションの環境が良いので、それを最大限に活かしています。
編集部確かに。この環境なら、時間を忘れて制作に没頭できそうですね。
山﨑さんそう、気づいたら、「こんな時間!」なんてこともしょっちゅうですよ。ここは住居としての機能も備わっているので、エアベッドを敷いて寝泊りします。板橋の家がもったいないくらいですかね(笑)。
「良い声」を届けたい
管理スタッフ僕、山﨑さんに聞きたいことがあって。以前からカラオケが大好きで、ミュージションの合唱団に所属しているんですけど、もっと歌が上手くなりたくて。そのためには何から始めたら良いですか?
山﨑さんまずはどうやって声が出ているのか仕組みを知ること。そうすれば、どこの筋肉を動かしたら声が出るのか良いのか分かるようになります。例えば、高い声はどうやって出るのかご存知ですか?
編集部うーん、喉仏を動かす?
山﨑さん実は、高い声は喉仏が下がって声帯が伸びると出るんです。反対に、喉仏を縮めて声帯を振動させれば、低い声になる。よくボイストレーニングで「喉仏を下げて!」と言うのはそれです。声は喉仏の倒れ方によって自在に操ることができるので、まずは喉仏の下にある筋肉を鍛えることが大切。この部屋に通ってくれる生徒さんには、その仕組みを理解するところから始めて、トレーニングしてもらいます。この最高の環境のなかで自身の声に向き合ってもらうんです。しばらくすれば、部屋中に良い声が響きますよ。
管理スタッフ勉強になるなぁ……! 僕も通って良いですか?
山﨑さんもちろん。音楽好きはいつでも大歓迎です。
住むだけではなく、自身の教室やスタジオとしても活用できるのがミュージションの魅力。これからも音楽好きのニーズを汲み取り、それに沿った使い方を提案し続けます。
企画:株式会社リブランマインド
⽂:原⼭幸恵(tarakusa)
写真:⼩賀康⼦(提供写真以外)