オーナーの内田和徳さん、「溝ノ口劇場」支配人の重岡俊行さん

"地下にライブハウスを併設! 音楽のあるまちの防音マンション"

ミュージション溝の口

オーナーの内田和徳さん、「溝ノ口劇場」支配人の重岡俊行さん

2018年2月に神奈川県川崎市にオープンした「ミュージション溝の口」。防音マンションでありながら、1階ではカフェ「FARM to BURGER」、2階では音楽教室、地下ではなんとエンターテイメントスペース「溝ノ口劇場」が営業され、地域の文化拠点として注目を集めています。第8回は、物件オーナーである内田和徳さんと「溝ノ口劇場」支配人の重岡俊行さん、そしてミュージション担当の山下が登場。立ち上げまでの経緯と、そこに込められた思いを聞きました。

まちに「音楽」で恩返し

編集部まずは、内田さんがミュージションを建てようと思ったきっかけについて教えてください。

内田さん僕は溝の口で生まれて、小学生までここに住んでいました。それから別の場所に引っ越したんですけど、先祖が残してくれたこの土地をどうやって活用しようかずっと悩んでいて。一般的なマンションを建てれば経費的にも安く抑えられるけど、それだけで良いのか、育ったまちにもっと貢献できる形にしたかった。それで、もともと音楽が好きだったので、「音楽と結びつけて何かできないかな?」とお世話になっていた会計事務所に相談したら、リブランが手掛けるミュージションを紹介してくれたんです。

オーナーの内田さん。小学生時代は溝の口で音楽教育に力を入れている洗足学園に通っていた。

編集部それがリブランとの出会いだったんですね。

内田さん最初は「変わった名前のマンションだな」と(笑)。でも、他のミュージションの内覧会に行ってみたら、遮音性能の高さに加えて住み心地にもこだわっているのが印象的でした。川崎には音楽教育で有名な洗足学園があって、「音楽のまち」とも呼ばれている。建てるならミュージションにしようと決めました。それに、「演奏を披露できる場所が少ない」という話もバンドをやっている息子たちから聞いていて。ならばと、「ライブハウスもつくりたい」とリブランの山下さんに相談しました。

ミュージション事業部部長の山下。自身もドラマーとして長年バンド活動を続けていた。

山下「恩返し」と「音楽」が内田さんから頂いたキーワードでしたね。これまでのミュージションはクラシックの演奏用に10〜20人規模の小さなホールを設えたことはありましたが、ライトミュージックを演奏できる場所は無かったんです。僕もバンド活動をしていた身。「人が集まれる場所をミュージションとセットでつくれたら素敵だよね」と昔から社内で話していて。だから、内田さんにお話をいただいた時は「ぜひ一緒につくりましょう!」とすぐお返事しました。

ただのライブハウスじゃない場所に

編集部計画はどんな風に進められたんですか?

山下内田さんとさまざまなライブハウスを見学するところから始めました。そこで声を掛けたのが、僕の音楽仲間だった重岡。ライブハウスについては誰よりも知識があるので、案内をお願いしたんです。 

重岡さん僕も山下さんと同じく学生時代からバンドでドラムを叩いていて、26歳からはイベント会社を立ち上げて全国のライブハウスを回っていました。だから、ライブハウスに何が必要なのかは熟知しているつもり。渋谷にあるライブハウスを10ヶ所くらい回りながら「ここは楽屋の設計が良い」「ドリンクカウンターが使いやすい」「フロアの設備が整っている」など、それぞれのライブハウスが持つ強みをお話ししました。

「音楽イベントは3,000本以上手掛けてきた」という重岡さん。山下と同じ大分出身で、ドラマー時代は同じステージに立ったこともあるそう。

内田さん雨の日で大変だったね〜。実は僕、「ライブハウスをつくりたい」と言いつつ、まったくの素人だから運営ノウハウが無かった。そして、色々なライブハウスを回るうちに「そんなに生易しいものじゃないな」と気が付いて。もともと重岡さんには設計を頼むつもりだったんですけど、「運営にも興味ない?」とその場でお誘いしたんです。

重岡さん最初は戸惑いました(笑)。でも、内田さんの人柄の良さに惹かれて受けることにしました。結局のところ、「誰とやるのか?」が大事だと思っていて。素敵なオーナーさんのもとで、ライブハウスの設計から運営まで関わることができる機会は二度と無いだろうなと。それで、単なるライブハウスではなく、今までの経験と知識を注いで日本一のエンターテイメントスペースをつくろうと決心しました。

着席で75名、スタンディングで最大約100名が入る「溝ノ口劇場」。

編集部具体的な見どころは?

重岡さんひとつ目は、ステージ。フロント部分が可動式になっているので、自在に形を変えることができます。例えば、前に広げたらランウェイをつくることもできる。ふたつ目は、天井の高さ。5〜6メートルあるので、音の響きはもちろん、広々と感じるはずです。3つ目は、トイレの数。100人規模のライブハウスで、トイレが5個も付いているところはまず無い。さらに、演者の楽屋にもトイレを設置しました。高いチケット代を払ってイベントに来てくれるのに、衣装もメイクも完璧に仕上がっていない出演者とトイレでばったり出くわすのは残念ですから。

編集部ユーザーの気持ちを知り尽くしたスペースですね。音楽以外のイベントでも使えるんですか?

重岡さんはい。とにかくマルチに使えるように設計したので、ライブやお芝居、上映会、トークショー、企業のセミナー、パーティーなど、さまざまな用途でお使いいただけます。幼稚園の謝恩会に使われることもあるんですよ。

音響や照明機材は最新設備完備。プロジェクターやカラオケ機器まで揃う。

編集部なんとなく抱きがちな強めの“ライブハウス”のイメージとは違って、やわらかな雰囲気だから、安心して子どものイベントにも使えそう。

重岡さんあえてライブハウスっぽくならないように、壁にポスター等も貼っていません。せっかく内田さんがまちのためにつくったのに、大人から子供までいろんな人が来やすい環境にしないと意味が無いですからね。音楽に限らず幅広いシーンで使っていただきたいから、名前も「溝ノ口劇場」にしました。このサイズでここまで機能を備えたスペースは全国でも例が無いはず。まぁ、リブランの設計担当の方たちには相当無理を聞いてもらいましたが(笑)。

山下導線も完璧だし、専用のエレベーターで機材の搬入出がスムーズに出来るのもポイントですよね。ちなみに、入居者の皆さんには劇場に予約が入っていない時間帯であれば無料でステージを使って頂くことができます。とはいえ、遮音性能にこだわったミュージションですから、部屋のなかで思い切り音を出して練習もできますけど(笑)。

重岡さんライブハウスの上に住居があるって珍しいですよね。別のライブハウスで支配人をやっていた頃、地下にライブハウス、1階にテナント、上階に住居となると、毎日「うるさい」と苦情だらけでした。でも、ここはオープンしてから苦情を受けたことは一度もありません。

編集部遮音性能が高いミュージションだからこそ実現できた形なんですね。

山下2階までをテナントにしたのも、住居に劇場の音が届かないための工夫です。その意図も含めてご理解していただいたオーナーの内田さんには本当に感謝しています。おかげさまで、ミュージションの代表作になりました。

まちの人が集い、愛される場に育てる

1階にあるカフェ「FARM to BURGER」は内田さん夫妻が運営。毎日手ごねで仕込んだオリジナルのハンバーガーは、子連れや女性客にファンが多い。

編集部劇場では定期的に音楽のイベントも主催しているそうで。

重岡さん音楽をまちの文化として根付かせるために、毎月「KANAGAWA MUSIC COLLECTION」というイベントを開催しています。神奈川にゆかりのあるアーティストの楽曲や名曲を劇場公式のバンドが演奏する企画で、川崎市民なら1,000円割引の1,500円でご入場できるお得なイベントです。ぜひ一度遊びに来て欲しいですね。

編集部行ってみたい! ちなみに、居住部分はどんな感じになっているんですか?

山下ライフステージに合わせて部屋を選べるように、単身向けの1Kと1LDK、そしてファミリー向けの2LDKがあります。

単身向けのAタイプ(1K)。壁一面に設置されたパイプ収納が便利。
ファミリー向けのFタイプ(2LDK)。部屋内にスタジオがあり、居住スペースと演奏スペースを使い分けることができるのが魅力。

重岡さん駅から4分で立地も良いから評判も高いですよね。僕も狙っています(笑)。

山下屋上からは多摩川花火大会の花火も見える。その日はオーナーさん主催でパーティーも開かれているんですよね。

内田さん屋上で花火を眺めながらご飯を食べるだけですけど、音楽好きな入居者さんと話す時間は楽しいですね。

編集部素敵。マンションに住んでいても、オーナーさんの顔すら知らないことのほうが多いですよね。

山下ミュージションのオーナーさんって、ご自身も音楽好きで、「音楽家の役に立ちたい!」「応援したい!」と思って建てられる方が多いんです。自分が暮らしている物件のオーナーさんの人柄が分かると、安心感が生まれて、部屋に愛着を持つようになる。そうすると、自然と物件の質も高まるんです。

重岡さん地下のスペースもそうやって育てて行きたいですね。僕もここを設計するに当たって、昔の仲間を集めて総出でつくりました。初めてライブハウスの支配人をした頃の音響屋さんを呼んだり、イベント会社時代からお世話になっている楽器屋さんで機材を買ったり。本当にたくさんの繋がりから生まれた場所だと思います。

内田さんリブランとの出会いも、重岡さんとの出会いも、一つひとつが偶然の出会いのようで必然だったね。これからは地元の人にはもちろん、より多くの人にこのミュージションや劇場のことを知って欲しいな。

好きな音楽でまちに参加する日々のなか、「ミュージションを建てて良かった」と実感するという内田さん。1階の「FARM to BURGER」はベビーカーでの入店もスムーズ。テラス席はペット同伴も可なスタイル。

ミュージションで「音楽を楽しむ暮らし」を提案しながら、地下の劇場で「音楽のまち」としての溝の口の魅力を発信し続ける皆さん。音楽を通してどんな出会いがここから生まれるのか、今後も楽しみです。


企画:株式会社リブランマインド
⽂:原⼭幸恵(tarakusa)
写真:⼩賀康⼦(提供写真以外すべて)

溝ノ口劇場
KANAGAWA MUSIC COLLECTION
FARM to BURGER

 

※2019年2月の取材内容です。現時点での店舗状況については異なる場合があります。

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