実際どうなの?防音マンションの暮らし

防音コラム2017年11月30日 by 戸口木綿子

実際どうなの?防音マンションの暮らし

防音マンションでの暮らしでは、自分達の発する音や外からの騒音などに気を使わずに済むという大きなメリットがあります。そのため、音楽愛好家や楽器演奏家にとって人気が高い物件です。防音マンションに住んでみた場合、実際にはどのようなメリットや注意点があるのかについて紹介していきましょう。

完全防音物件?

まず、防音マンションには大きく分けて「24時間楽器演奏可能物件」と「楽器可物件」の2つがあることを知っておきましょう。24時間演奏可能物件とは、楽器の音や人の話し声などの「空気音」と、ピアノのペダルの振動やパタパタと歩いたり飛んだり跳ねたりした場合に発生する「固体音」のいずれも軽減するように設計されています。壁素材や床の構造を防音性の高い素材にしたり、部屋の中に防音ユニットの防音室を設置していたりと、楽器を演奏しない・大きな音を出さない方にはオーバースペックとなるため、物件数も多くはありません。プロの音楽家や音楽を続けている社会人、音大生などが入居していて、音大の近辺などにこうした物件が集まっていることが多いです。24時間いつでも音を出しても良いので、練習場所を確保したい音楽家や音大生にとっては非常に便利な物件です。但し、音については個人差がありますので完全防音と言い切れる物件はないと考えたほうがいいでしょう。隣近所に同じような音楽家や愛好家が多いという住環境も、こうした人々にとっては住み心地の良い要因の1つとなっているようです。

「楽器可」「楽器相談可」となっている防音マンションでの住み心地

これとは違い、賃貸情報などでも多く見かけるのが「楽器可」あるいは「楽器相談」というタイプの防音マンションやアパートです。ワンルーム賃貸などでもこうした条件の物件は多くありますが、注意しておきたいのは、こうした物件は専用の防音対策設備が備わった物件ではない場合があるということです。もともと鉄筋コンクリート造のマンション(RC造またはSRC造)は、木造建築や軽量鉄骨(プレハブ構造のワンルーム賃貸物件に多く使用されている素材)で作られたマンションと比べて、防音性が高いとされています。そのため、より入居率を上げたいという貸主側の事情で、「楽器可」あるいは「楽器相談可」と表記している物件も見かけます。こうしたマンションでは、本格的な防音対策工事が行われていないという場合があります。したがって、いざ入居の相談をしてみると使用に関してのルールがきちんと定められておらず、クレームが発生してしまい、楽器の使用ができなくなる、あるいは大幅に制限される場合もあります。入居後にトラブルが起こらないよう、ルールなどを事前に確認したほうがよいでしょう。

防音マンションは人気物件

防音効果が高いマンションでは、すでに入居待ちの人がいるという状態も多いです。もともと需要に対する供給量が少ないこともあり、人気の防音マンションは駅から少し遠めといった多少の悪条件があっても高い入居率を誇るというのが実情です。しかも、入居者がなかなか転居しないという傾向もあるため、本当に良い物件はなかなか空きがでません。そのため、音楽家や音大生など、自宅で本格的に音を出す必要のあるという人は、複数の不動産会社を訪ね歩いたり、防音マンションを専門とする不動産会社とコンタクトをとったりと、物件探しにはかなり苦労しています。「楽器可」「楽器相談可」という条件のマンションであっても、空き物件は出にくい傾向のようです。

入居前には現場で実際に確認を

ようやく防音マンションを選び出せたとしても、実際にどのような遮音性があるのかはわかりづらいです。内見したときに隣の部屋が空室で大きな音を出してもらい確かめることができればいいですが、たいていは契約済で不動産会社の担当者でも入ることができません。ですから、完成時に測定した部屋ごとの遮音性能を確認させてもらい、自分の楽器を持ちこんで、演奏時の音圧を測定してもらうことができれば安心です。楽器ごとの音域や標準的な音圧を知っている不動産会社であれば、音に対するある程度の知識を持っているとみてよいでしょう。このタイミングで積極的に不安に思っていることを聞いてみてください。

防音室を設置する場合

自宅で楽器を演奏する人は、防音室の購入を検討することも多いです。防音室は、部屋そのものを防音性の高い空間に作り替える場合と、ボックス型の防音ユニットを自宅の一室に設置する場合の大きく2パターンに分かれます。部屋を改装するレベルだと、賃貸などでは大幅な造作工事となるので大家に許可を得る必要があります。ワンルームなどの短期型賃貸では、まず大家の承諾を取れないでしょうから、マンションを賃貸している人にとって現実的な選択肢ではありません。費用もかなり高額です。そこで、防音ユニットの導入となりますが、これに関してはワンルーム型賃貸であっても承諾が取れることが多いです。ただし、使用楽器の制限がある場合は承諾を得られないこともあります。防音ユニットの遮音効果なら、ピアノの音をだいたい話し声レベルほどにカットすることを期待できます。ただ、防音ユニットは音がこもりがちだったり、空気の入れ替えが難しかったりなど多少のデメリットもあるので、費用対効果をよく考えたうえで導入したほうが良さそうです。