遮音性能って何?誰も教えてくれない遮音性能のこと

防音コラム2017年11月20日 by 戸口木綿子

遮音性能って何?誰も教えてくれない遮音性能のこと

防音マンションへの入居を検討する場合、入居予定のマンションの遮音性能がどれくらいなのかをきちんと把握しておかなければなりません。ここでは、さまざまな遮音性能を示すデータのうち、ここだけはおさえておきたいという基本的なデータや、その数値の見方について簡単に説明していきます。

騒音の大きさの目安

音の大きさを測る単位として、dB(デシベル)という単位があります。音は空気中の振動が音波となって伝わる物理現象です。その音の波の振幅の大きさを示すのがdBという単位で、一般的にこの数値が大きいほど大きな音とされます。もちろん、音の大きさは単に音量の大きさだけに左右されるのではなく、周波数(Hzヘルツ)によっても大きな影響を受けます。周波数は1秒間に何回音の波が上下するかを示す単位で、周波数の回数が多ければ多いほど高い音です。音には同じ音圧の場合であっても、高い音ほど遠くまで聞こえやすいという性質があるので、騒音対策においてはいかに高い音を遮断できるかという点も重要になってきます。ただ、まずは音の大きさの基準としてdB数を基本に考えていきましょう。イメージがわきやすいように、具体的な音とdB数の目安について例を挙げて確認しておきます。『誰にもわかる騒音防止ガイドブック』や東京都消防局などの公開情報などによると、ジェット機のエンジン音が約130dB、工事現場の杭打ちやリベット打ちなどの工事現場の音が約120dB、電車などのガード下の音が約100dBといった数値になります。さらに、日常生活でよく耳にする音では、大声での会話が約70dB、テレビの音や通常の会話が約60dBとなっていて、楽器の音では金管楽器は約100dB以上、ピアノはふたを閉めた状態で80~90dBといった音量になります。こうしたいろいろな種類の音の大きさに対し、室内での静かな生活のために許容できる音量として挙げられている数値は、約40dB以下という数字です。この数値は、日本建築学会をはじめとする専門団体の多くが提示している数値なので、遮音性能の1つの目安として考えてよいでしょう。

空気音の遮音性能を示す「D値」とは?

空気音の遮音性能を測る基準がD値(Dr値)と呼ばれるもので、このD値は周波数帯に対する透過損失(音圧レベル差)の数値を示す値です。これはどういうことかというと、たとえば1つの壁の遮音性能を測りたい場合、その壁の遮音率は音の大きさだけでなく、音の高さ(周波数)の違いによっても変わってきます。先ほど述べたように、同じ音量だったとしても高い音のほうが伝わりやすいという音の性質のためです。そこで、D値は一定の遮蔽物が125~4000Hzまでの周波数帯において、それぞれどれほどの音を遮音できるかという数値を割り出していき、その遮音性能別にランク分けして表示されています。そのランクは、D-15から5刻みでD-85までの15のランクに等級分けされていて、Dのあとに続く数字が高ければ高いほど遮音性能が高いということになります。たとえば、D-40の壁とD-50の壁ならば、後者のほうが遮音性能は高いということです。このDに続く数字は何かというと、周波数帯ごとに規定されたdBカット量です。500HzがD-80相当でも、125HzがD-70なら性能はD-70になります。

たとえば、D-40というランクならば、外から音量100dBで500Hzの音が入ってきた場合、これを60dBの音にまで遮断できるということです。500Hzの音は、ピアノの音階でいうと中央のドから始まる音階で7音目のシ(H)の高さにあたる音ですから、高めの声の女性や子どもの声に近い音域の音とイメージしてください。そして、この15もあるランク分けをわかりやすくするため、日本建築学会がこのD値の基準を4つの基準に分類しています。特級(D-55)、1級(D-50)、2級(D-45)、3級(D-40)の4つです。これが一般的にマンションの遮音性能の目安となっています。防音マンションとして評価される水準は特級以上、つまり「D-55」以上というのが防音マンションとして遮音性能を示す1つの基準といえるでしょう。

サッシの遮音性能を測る「T値」という基準もある

これまで、遮音性能を示すD値について大まかに説明してきましたが、実はもう1つ指標となる基準があります。マンションでは窓にサッシが使われていますが、このサッシに関して、D値とは別に「T値」という指標で遮音性能を示すことがあります。測定方法はD値と似ていますが、等級はT-1からT-4の4つだけ。最大の遮音性能となるランクはT-4で、T-1が最も低い遮音率ということになります。遮音性能が高いとされるのはT-3とT-4、アルミと樹脂を複合したサッシがT-2、2重サッシなどの防音性の高いものでT-3以上というのが目安です。あとから防音リフォームなどをする場合には、壁だけでなくそれぞれの開口部ごとに遮音率を測定していき、音の漏れやすい箇所を探し出していきます。こうすることで、遮音率の低い部位から優先的にリフォームすることができ、低コストで効率の良い防音工事が可能となるからです。このような部分リフォーム工事などでは、T値という指標が使われることがあるので、これも部屋の遮音性能を示す1つの参考値となってきます。

遮音性能を測る参考にD値やT値を活用しよう

以上のように、遮音性能の目安となる重要な指標について説明してきました。空気音の遮音性能を示す「D値」が、判定する基準となります。理想は、D値がD-65以上です。この基準を下回る場合には、楽器の演奏や大きな音を出したいときにトラブルになる可能性が高くなるため、物件選びの段階ではこの目安を参考にして理想的な防音マンションを探し出しましょう。